目次
はじめに
不動産投資の世界で、孤独死は大家にとってかなりの負担です。
幸い、私はまだ経験したことがありません。
「できれば避けたい…」と思う方も多いことでしょう。
とはいえ、いざ物件購入を検討する段階においては、相場よりも安く購入しやすい「孤独死物件」は、魅力的でもありますよね。
今回は、近年増加傾向にある孤独死物件について、知っておきたい情報をまとめます。
トラブルを避けるためにも、事前にチェックしておきましょう。
孤独死物件とは
孤独死物件とは、その住宅内で住人が孤独死した物件です。
少子高齢化が進む現代日本において、独居老人の数は年々増加傾向にあります。
一人暮らしの高齢者が、ある日突然住宅内で倒れてしまったら…孤独死につながる可能性もあるでしょう。
人間は誰もがいずれ亡くなるわけですし、自宅で最後のときを迎えるケースは、決して少なくありません。
とはいえ以下のような理由から、孤独死物件は、いわゆる「難あり物件」として判断されるケースも多くあります。
- ご遺体が発見されるまでの時間が長くなる可能性がある
- 近隣地域で噂になる可能性がある
家族と一緒に生活している方が亡くなった場合、すぐに関係各所へと連絡が回ります。
このため、家族の死が不動産の価値に影響を与えることは、ほぼないと考えられます。
しかし亡くなったのが独居老人であった場合、すぐに連絡が行き届かないこともあるでしょう。
実際には「孤独死=長期間発見されない」ということではないのですが、人間のイメージとは、そう簡単に覆るものではありません。
物件を購入したりや借りたりすることへの心理的ハードルは、高くなってしまいます。
不動産売買においては、自殺や事件など、心理的瑕疵がある場合、契約前の告知義務が発生します。
買い主が不当な不利益を被らないよう、定められているルールで、大家はこれに従わなければいけません。
孤独死物件においては、この告知義務の対象にはなっていません。
しかし実際には、売買契約・賃貸契約後のトラブルを避けるため、契約前に事実を伝えるケースが多いです。
購入・賃貸予定者は、孤独死物件であるという事実を知った上で、その物件を選ぶかどうか、判断することになります。
孤独死物件のメリット・デメリット
では次は、不動産投資物件として孤独死物件を見た場合の、メリット・デメリットについてチェックしていきましょう。
購入するかどうかの判断に役立ててみてください。
【孤独死物件購入のメリット】
孤独死物件を購入するメリットは、ずばり「価格の安さ」です。
孤独死物件を避ける投資家も多いため、相場よりも低い価格で売りに出されるケースも少なくありません。
投資用物件を安く購入することができれば、儲けを出しやすくなるでしょう。
また不動産投資家の数が増えている今、優良物件は多くのライバルが狙っているもの。
好条件の物件を購入するためには、それなりの工夫や手間、運が必要となってきます。
孤独死物件の場合、ライバルは確実に減少します。
立地条件や築年数など、有利な条件の物件も購入しやすくなります。
しかし、孤独死の発見が遅くなった場合、死臭の匂いが取れずオゾン消毒など費用がかさむことは頭に入れておきましょう。
【孤独死物件購入のデメリット】
孤独死物件のデメリットは、ずばり「借り手を見つけるのが難しい」という点です。
不動産屋が客付けする際にも、借り主に伝えられる可能性は高いですし、近隣住民に知れ渡っていることも考えられます。
こうした逆境を跳ねのけるためには、相場よりも賃料を安く設定する必要があ利ます。
孤独死を気にしない人も一定数いますので、そこを賃料の安さで勝負するしかありません。
孤独死物件の家賃相場は、各種条件によっても違ってきますが、相場の7割程度とも言われています。
購入価格を安く抑えられたからといって、高利回りを期待できるわけではないのが、孤独死物件購入のデメリットとなります。
結局、孤独死物件は「買い」なのか?
どんな物件にもメリット・デメリットはあるもの。
とはいえ、いざ購入となると、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
孤独死物件を購入するかどうかは、
- 物件の状態
- 価格
- 孤独死でどのくらい修繕が必要か
などを総合的に考慮しながら検討するのがおすすめです。
とはいえ今後の日本の状況から推察するに、独居老人の増加と共に、孤独死の数も増加していくでしょう。
2011年の孤独死数は年間約27,000件です。
現在はもっと多くなっていることでしょうし、これから決して珍しいことではなくなっているのかもしれません。
大家になるなら孤独死の覚悟が必要ですね。
今は保険もありますので、特約で入っておくのも良いでしょう。
また賃料を下げて貸し主が見つかったら、退去のタイミングで賃料設定を上げることも可能です。
実際に借り手が付くことで、孤独死のイメージは徐々に和らいでいくでしょう。
数年後には、相場価格で売却することも難しくはないはずです。
孤独死物件のイメージだけに囚われず、「買い」かどうかを判断してみてください。
まとめ
今回は、孤独死物件に関する情報をまとめました。
価格が安いと、つい飛びつきたくなりますが、だからこそ購入を迷ってしまう…という方も多いのではないでしょうか。
孤独死物件ならではの特徴やメリット・デメリットを踏まえた上で購入の判断をしましょう。
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